室谷総合法律事務所 Lawメールニュースレター(第68号)
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★★室谷総合法律事務所 Lawメールニュースレター(第68号)★★
★★2024.7.16 ★★ https://murotani-law.jp ★★https://media-law.jp
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室谷総合法律事務所Lawメールニュースレター運営事務局です。
向暑の候、ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
7月も半ばだというのに梅雨明けを迎えずジメジメとした暑い日が続いています。
まだまだこれからが夏本番。たくさん水分と睡眠をとって元気に過ごしたいものです。
それでは、第68号も法律関連情報や弁護士の日常、考えていることなどをお届け
します。皆様の毎日に少しでもお役に立てれば幸いです。
是非、ご覧ください!
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◆ 1.室谷総合法律事務所とは・・・
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「全面的に信頼できる法律事務所であること」
「専門的かつ総合的な法律事務所であること」
「社会正義を重んじる法律事務所であること」
をモットーにしている法律事務所です。現在、弁護士3名、事務局2名体制です。
取扱業務は企業法務(大企業から中小企業まで企業の規模も幅広く、業務内容も
幅広く扱っております)、一般民事(交通事故、相続、破産、家事事件等)、刑事、
プロボノ案件と幅広く取り扱っており、上記モットーを実践することを心がけてお
ります。
場所は大阪・関西・東京だけに限らず、全国対応しております。
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◆ 2.お知らせ
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◎今月の法人・事業者様向けの無料相談会は8月6日(火)です。10時~17
時の間で30分間無料にてご相談いただけます。この機会にぜひ雇用・解雇トラ
ブル、契約書法務、事業承継問題、知的財産、売掛金の回収、危機管理対策・ク
レーマー対応等をお気軽にご相談ください。
法人・事業者様向けの無料相談会は完全予約制です。必要事項(御芳名、貴社名・
部署名、連絡先・電話番号、メールアドレス、ご希望の日程・時間(第1候補か
ら第3候補までご記載ください)、ご相談内容について)をご記入の上、メール
アドレスに送信していただくか、お電話にてご予約ください。
※無料相談会のご利用は一企業1回とさせていただいております。
◎商事法務発行「取引実務の法律ガイド NBL」
(2024年7月1日発行No.1269)に「生成AIと肖像権・パブリシティ権」
と題する記事を代表弁護士室谷光一郎が共同執筆させていただきました。
◎代表弁護士室谷光一郎が、本年9月13日公開の映画「スオミの話をしよう」
(主演:長澤まさみさん)の法律監修をさせていただきます。
リンク:https://suomi-movie.jp
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◆ 3.法律・裁判例情報
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【総合職のみの社宅制度と間接差別】
本年5月13日、総合職社員と一般職社員の待遇差が、男女雇用機会均等法(以
下、「均等法」といいます)の趣旨に照らして「間接差別」にあたると判断した判
決が、東京地裁で言い渡されました。この事案は、一般職の区分で勤務する女性が、
男性がほとんどを占める総合職社員にのみ社宅制度が適用されることは間接差別に
あたると訴えたものです。
(1)間接差別とは
間接差別とは、他の性の構成員と比較して相当程度の不利益を与える措置を、表
向きは性別以外の事由を要件としながら、合理的な理由なく行うことをいいます。
つまり直接に性別を理由にするのではなく、他の理由をつけて実質的に性別によっ
て差別的に取扱うことです。間接差別は、2007年に改正された均等法7条によ
って法律上禁止されましたが、裁判において間接差別の該当性が認められた例はこ
れまでありませんでした。
(2)事案の概要
本事案の原告の勤務先では、総合職社員に対し、賃料の8割を補助する社宅制度
を設ける一方で、一般職社員には3000円ほどの住宅手当を支給するにとどめて
おり、総合職と一般職の賃料補助額には最大24倍の差が生じていました。そして、
従前在籍した総合職計34人のうち女性は1人のみ、一般職は7名中男性は1名の
みと、総合職はほぼ男性、一般職はほぼ女性の状況が続いていたということです。
訴訟において会社側は、総合職のみに社宅制度を適用する理由として、総合職の採
用時の競争優位性を確保するための制度であることや、総合職の営業職には転勤が
ありうることなどを挙げました。しかし、総合職が転勤の有無や現実的可能性を問
わず社宅制度を利用している実態が認められたことから、東京地裁は社宅制度の利
用を事実上総合職男性に限定して女性に不利益を負わせる合理性を否定し、このよ
うな運用は間接差別にあたると判断して会社に損害賠償の支払いを命じました。
取扱業務は企業法務(大企業から中小企業まで企業の規模も幅広く、業務内容も
(3)まとめ
日本では、1986年の均等法成立以降、総合職・一般職のコース別雇用管理が
定着してきました。それによって、いずれの雇用区分も性別を問わず門戸が開かれ
た形ですが、総合職に男性、一般職に女性が多く採用されてきた実態があります。
今回の判決は地裁レベルの判断ではあるものの、性別による雇用区分の固定化が明
らかな場合に、総合職と一般職の処遇差が「間接差別」として違法になり得ること
を示した点で注目されます。本件事案のような運用はなお少なからず存在すると思
われるため、今後、類似の紛争が増加する可能性もあります。
今後使用者の立場からは、まず従業員の雇用区分が性別によって長期間固定化さ
れている実態がないか、そして総合職と一般職に待遇差がある場合には、総合職と
一般職の違いや処遇の趣旨に照らして合理的なものであると説明できるのか、改め
て精査する必要があります。弊所では、人事労務の問題に対して最新の裁判例や法
改正の動向を踏まえて対応して参りますので、お気軽にご相談ください。
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◆ 4.独り言
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最近、週末ドライブに出ることが増えました。行き先はもっぱら和歌山の海です。
友ヶ島、白崎海洋公園、志原海岸、江須崎、串本の海中公園など、さまざまな海岸
の地形を眺めに行っています。紀北から紀南まで、海岸線沿いはどこも本当に多彩
な岩の風景が見られますが、特に紀南の枯木灘エリア(白浜~串本)が好きです。
その名のとおり波の浸食で激しく入りくんだ厳しい岩礁と崖が続くのですが、海の
中は黒潮の影響が強く熱帯の魚や生物も住んでいて、串本には世界最北のサンゴ群
集も広がっているなど、観察するほど意外な存在に出会います。生態系の複雑さと
不思議を感じられる場所です(平井)。
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◆ 5.最後に
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さて、室谷総合法律事務所Lawメールニュースレター第68号はいかがでしたで
しょうか。
今回の「法律・裁判例情報」では、「総合職のみの社宅制度と間接差別」につい
てお伝えさせていただきました。実際の企業では従業員の雇用区分が性別によって
固定化されていることが多いのではないでしょうか。今回の判決を受け改めて精査
する必要があるかもしれません。弊所では、人事労務問題についてのご相談を多く
受けており、裁判例や法改正を踏まえた研修・講演講師等多数お受けしております。
気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
これからも弊所Lawメールニュースレターで、法律問題や時事問題を身近で分か
りやすく感じていただければ幸いです。
★法律相談、講演・研修等の講師ご依頼、各種法律監修等につきましては、下記ア
ドレスか電話にてご連絡ください。
murotanisougou@murotani-law.jp
TEL.06-6535-7340
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室谷総合法律事務所
代表弁護士 室 谷 光一郎
弁護士 平 井 希 依
弁護士 山 崎 絢 香
〒550-0013 大阪市西区新町1丁目5番7号 四ツ橋ビルディング602号
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